尿管結石のサイトです。





ここでは、尿管結石の原因・症状・治療法をはじめ、
検査や手術の費用、食事での予防法、
血尿の原因となる病気などを解説しています。

もし、自分に当てはまる内容を見つけたら
なるべく早く病院へ行くことをオススメします。



結石の種類と分類

結石は、結石の成分によっていくつかの結石に分けられます。

・「シュウ酸カルシウム」
カルシウムとシュウ酸が結び付いてできた結石です。

・「リン酸カルシウム」

・「尿酸結石」
尿が酸性になってくると出来やすくなる結石です。

・「シスチン結石」
先天的なアミノ酸の代謝異常が原因でできる結石です。

・「リン酸マグネシウムアンモニウム結石」
感染結石です。

日本人によく見られるのはシュウ酸カルシウムとリン酸カルシウムで全体の80%を占めます。

これらの石がなぜ体内にできるのか、原因は解明できていませんが、
食生活や排尿障害、尿路感染、女性ホルモンなどが影響しているとも考えられています。

また、飲料水のカルシウム濃度が高い地域では尿路結石が起こりやすいことが分かっています。


⇒結石の種類と分類

原因

食生活だけが尿管結石を発症させている原因ではありませんが、
やはり占める比重は大きいと言えるでしょう。

◆肉類など動物性たんぱく質の過剰な摂取
動物性たんぱく質は尿酸・シュウ酸・カルシウムの尿中への排出を増やしてしまいます。

◆食塩の過剰な摂取
食塩を多く摂ってしまうと尿のカルシウム濃度が高くなります。

◆水分不足
暑い時期には尿路結石の患者が増えることからも分かるように、
水分が不足すると(夏は発汗も多い)尿の濃度が高くなりますから、
水分を1日に2リットル程度とるようにしましょう。

◆ビタミンCのとり過ぎ
水溶性ビタミンであるビタミンC。
摂りすぎても問題ないように思っている方が多いかもしれないのですが、
実はビタミンCは、結石の成分であるシュウ酸を体内で生成してしまいます。
サプリメントなどで過剰に摂取するのは控えましょう。


激痛を引き起こす尿管結石。
原因となるものは生活から取り除くようにしましょう。


⇒原因

症状と痛み

腎臓に石がある間は無痛なのに、尿管に石が落ちると激痛が出るのは、
尿管の中の尿の流れを石が邪魔してしまうからです。


腎臓はその性質上、常に尿をつくっています。
しかし結石が尿の流れを遮ってしまっている為に、
腎臓が尿で溢れてしまって腫れを引き起こしてしまいます。
この為激痛が出るようになるのです。

尿管結石になると、激痛の他に血尿も伴うようになります。
なぜ血尿が出るようになるかと言うと、結石が大きくなって尿管に傷がついてしまう為です。
血尿は肉眼的血尿と顕微鏡的血尿両方認められます。

尿管結石を発症することで
・尿量の減少(膀胱に送られる尿の量が石のせいで減ってしまう為)
・水腎症を併発する

これらの状況を引き起こすこともあります。


⇒症状と痛み

検査と費用

通常であれば、これらの検査だけで終わりますが、診断材料にとぼしい場合は
排泄性尿路撮影CT検査も行われます。
※CT検査では小さい石の発見もできます。

費用負担が増えますが、もし検査希望であれば医師に申し出てください。

尿管結石の検査一通りにかかる費用は、3割負担でだいたい1万円程度です。
ただし、個人によって検査内容が異なり、
それに伴い検査費用も変わってくることは心にとめておいてください。


⇒検査と費用

手術と費用

現在尿管結石に対してもっとも多く行われている治療が「体外衝撃波結石破砕術(ESWL)」です。

◆体外衝撃波結石破砕術(ESWL)
体外衝撃波結石破砕術によって、自然に流れ出ない石を表面から衝撃波を当てて粉砕する治療法です。

この方法では、石を消してしまうのではなく細かく粉砕して自然に流れ出るように促します。

術後は2.3日の間血尿が出ることがありますがすぐに落ち着きます。
この間も水分をよく摂り、結石が再びできないように心がけましょう。


⇒手術と費用

食事で予防

◆魚中心の食事
肉類は尿の中のカルシウム濃度を上げて、結石を出来やすくしてしまいます。
しかし、魚に含まれるエイコサペンタエン酸は結石を作りづらくさせる作用がありますから、
なるべく肉類を減らしましょう。

◆アルコールを控える
アルコールの過剰摂取は尿酸結石が出来やすくなってしまいます。

◆主食を減らす
穀物はインスリン濃度を上げ、結石をつくりやすくさせてしまいます。

◆カルシウムを積極的に摂る
以前は、カルシウムが悪者だと思われていたのですが、
実はシュウ酸が悪い影響を与えることが研究により分かってきました。

カルシウムには結石を作りづらくする作用がありますから、積極的に摂るようにしてください。
もちろん、バランスのいい食事をしてくださいね。

◆一日に水を2L飲む
一日に飲む水の量が1L以下だと、結石が出来やすくなることが分かっています。

これらを少しづつでも実践していくことで、結石が出来づらい体質に変化していきます。
慣れるまでが大変ですが、慣れればなんてことのないものです。
頑張って習慣づけるようにしてくださいね。


⇒食事で予防

ビールを飲めば治る?

人間は就寝中にコップ3杯程度の発汗があります。
ビールには利尿作用がありますから、
寝る前にビールを飲むことで更に尿が濃くなってしまうことになります。

しかも、ビールに含まれる「プリン体」は体の中で尿酸に変化してしまいますから、
結石を出来やすくさせてしまうんです。


ですから、尿管結石を予防または再発防止する場合、ビールではなく水を飲むようにしましょう。


甘味飲料水や清涼飲料水などの過剰摂取はもちろんおすすめできません。
最近の研究で、一週間の間にコップ2杯以上の清涼飲料水を飲むことで
膵臓がんの発症率が2倍に跳ね上がるということが分かっています。


尿路結石を防ぐ為には一日に2リットルの水分を摂るようにしてくださいね。
1リットル以下の水分摂取量だと結石ができやすくなります。

同じ水分でもビールではリスクが上がってしまうことを忘れないでくださいね。


⇒ビールを飲めば治る?

薬だけでの治療は可能?

◆結石が4ミリ以下の場合
鎮痛剤を使って自然排出を待つ保存療法が基本ですが、
激痛などの発作が繰り返し起きる場合には体外衝撃波砕石術(ESWL)を行い、
結石の排出を促すことになります。

◆結石が5ミリ〜9ミリの場合
患者さんの状態によりますが、1センチ以下の大きさの結石は場合によっては
自然排出されることもありますので、鎮痛剤を使って自然排出を待つことがあります。
しかし、この場合も腎盂腎炎などの病気を発症して
健康状態が更に悪化することが懸念される場合には、ESWLによる治療を行います。

◆結石が1センチ以上の場合
体外衝撃波砕石術(ESWL)を行います。


尿管結石は症状と結石のサイズで治療法は決定されます。
医師の指示に従って治療に専念するようにしてくださいね。


⇒薬だけでの治療は可能?

尿管結石以外で血尿が出る病気

血尿が出る病気と言えば、例えば激痛も出る尿管結石などが挙げられます。
この場合は尿管が結石で傷つけられる為に起こります。

もちろん血尿が出る病気は尿管結石だけではありません。

・尿道がん、前立腺がん、膀胱がん、尿管がん、腎盂がん、腎がん(腫瘍)
・前立腺炎、膀胱炎、腎炎、腎盂腎炎
・薬の副作用による膀胱出血
・放射線性膀胱炎
・血管異常など


尿管結石の場合は、わき腹に痛みが出るので比較的分かりやすいのですが、
激痛が起きていますから本人にそれを自覚する余裕はありません。

何の病気であるのかは、病院で検査をして初めて診断されますので、
血尿が出たらとにかくすぐに病院へ行くようにしてください。

また、排尿後に便器が赤くなっているのではなく、下着に血がついている場合には
性器出血の可能性もありますし、脱水症状を起こすと尿が赤く血尿のように見えることもあります。

自己診断はいずれにせよ意味がありません。
原因を正しく知って治療をするようにしましょう。


⇒尿管結石以外で血尿が出る病気

病院で尿管結石と診断されたら?

尿管結石はいろんな原因がありますが、欧米化した食事が
大きく影響しており若い女性にも多く見られる病気です。

血尿や耐えがたい激痛が症状として出て、そして病院に搬送されるんですね。
しかし病院へ着く頃には意外に痛みが消えていたりします。

もし痛みが消えていなければ、鎮静剤を使いながらまず痛みを消してそして検査に移ります。
検尿、レントゲン検査、超音波検査を行って(CT検査を行うこともあります)尿管結石と診断されたら
痛みが消えていても治療に移ります。


⇒病院で尿管結石と診断されたら?

血尿について

血尿がある、ということは
腎臓、膀胱、尿管、尿道のいずれかに異常(出血巣)があるということです。
原因となっている病気は以下の通りです。

◆尿路結石

膀胱、尿管、腎臓に結石があります。
もし血尿以外に症状が出ていなくても
血尿が出ているのなら尿路結石の疑いがあります。

◆尿路の炎症

腎盂炎、膀胱炎

◆泌尿器系の腫瘍

尿路のいずれかの部位に良性腫瘍または悪性腫瘍ができています。
健康診断で尿潜血を指摘された場合、
精密検査を受けた方がいいでしょう。(40歳以上の方)

◆内科的腎疾患

慢性糸球体腎炎

◆上記以外の泌尿器疾患

尿道炎、前立腺ガン、前立腺炎

◆その他の疾患

筋損傷、筋ジストロフィー、心筋梗塞、溶血性貧血、白血病

「尿検査」「尿細胞診」「採血」「X線検査(レントゲン)」「内視鏡検査」の
いずれを行っても、原因が分からない血尿があります。
この場合は重大な疾患の疑いはありません。

痛みが出ていれば病院を受診する方は多いのですが、
血尿だけの症状の場合そのままにする方がいます。

血尿が出ていて痛みのない病気でよく見られるのが
膀胱がん、腎盂尿管、膀胱がん、腎がんです。

これらのガンは静かに進行します。

血尿が出た時点で病院をすぐに受診しましょう。


⇒血尿について



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